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【eバイク】特定小型原付の走行ルールと安全運転のポイント

特定小型原付は、エコで便利な新しい移動手段として注目されています。本記事では、車道走行を基本としたルールや安全運転のポイント、活用シーンについて、道路交通法に基づき詳しく解説します。

特定小型原付とは?

特定小型原付(特定小型原動機付自転車)は、道路交通法において2022年に導入された新しいカテゴリーの原動機付自転車です(道路交通法第2条第1項第10号ロ、道路交通法施行規則第1条の2の2)。一般的な原付バイクに比べ、以下のような特徴を持っています

・(構造上の)最高速度:時速20km以下。
・運転免許:16歳以上であれば免許不要(16歳未満の者の運転禁止)。
・車両区分:原則として、歩行者道以外の車道を走行。

特定小型原付の特徴は、従来の原付バイクや電動アシスト自転車とは異なる法的扱いを受ける点にあります。これにより、特定のエリアや条件下での走行が可能となり、環境に優しい移動手段として注目されています。

走行可能なエリアとルール

特定小型原付は、車道を基本に走行する移動手段です。自転車道の一部利用が認められるものの、歩道の使用は原則禁止されています。各エリアでの規制を把握し、安全に運転することが重要です。

車道走行が基本

特定小型原付は原則として車道を走行する必要があります(道路交通法第17条第4項)。車道では左側通行を守り、他の車両との交通の流れに従って運転を行います。

自転車道の利用

特定小型原付は、自転車専用道の利用が認められています(道路交通法第17条第3項)。

歩道の使用禁止

歩道の走行は原則として禁止されています。例外として、道路管理者が特に認めた場合や、指定された標識がある場合に利用可能です。

指定エリアでの制限

観光地や市街地など特定のエリアでは、混雑を避けるため特定小型原付の走行が制限される場合があります。これらのエリアでは事前に交通標識や規制情報を確認してください。

安全運転のためのポイント

安全に特定小型原付を運転するには、ヘルメットの着用や速度制限の遵守、ライトの使用が不可欠です。二段階右折や定期的な車両点検を行い、周囲への配慮と慎重な運転を心がけましょう。

ヘルメットの着用

特定小型原付の運転者は、道路交通法第71条の4第3項に基づき、ヘルメットの着用が(努力)義務とされています。頭部を守るため、基準に適合した製品を選びましょう。

二段階右折の遵守

交差点で右折する際は、二段階右折を行う必要があります(道路交通法第34条第3項)。これにより安全な右折が可能となります。

速度管理

時速20kmを超えないようにしましょう。
(そもそも、法令で定められた測り方で構造上時速20kmを超える速度で走行することができる乗り物は特定小型原付とされません。厳密にいうと、特定小型原付の最高速度は時速30kmとなりますので(道路交通法22条1項、道路交通法施行令11条)、構造上の制限をクリアしていれば、特定小型原付でたまたま時速20kmを超えてもそれだけで最高速度違反となるわけではありません。)

ライトの使用

夜間走行時は前照灯および尾灯を必ず点灯し、周囲に存在を知らせることが必要です(道路交通法第52条第1項)。

定期点検

車両のブレーキやライト、バッテリーの状態を定期的に点検しましょう。これにより不意の故障を防ぎ、安全性が向上します。

特定小型原付の活用シーンと注意点

特定小型原付は、通勤や観光地での利用に適した便利な移動手段です。しかし、混雑時や悪天候時には特に慎重な運転が求められます。安全運転と規制の確認を徹底しましょう。

日常利用

通勤や通学、買い物などの近距離移動に適しており、環境に優しい選択肢として注目されています。特に車道走行時には交通量が多い時間帯を避けると安全です。

観光地での利用

観光地での利用は便利ですが、人通りの多いエリアでは速度を抑え、安全運転を徹底する必要があります。また、地域ごとの規制を事前に確認することが大切です。

悪天候時の注意

雨天時や風が強い日には、スリップの危険が高まるため慎重な運転が求められます。路面が濡れている場合は特に速度を落とし、急ブレーキを避けましょう。

まとめ

特定小型原付は、エコで便利な移動手段として多くの可能性を秘めていますが、法律で定められたルールを正しく理解し、安全運転を心がけることが不可欠です。車道走行を基本とし、自転車道や歩道の利用時には条件を守ることが求められます。また、日常点検や装備の確認を徹底することで、快適で安全な運転が可能になります。特定小型原付を活用する際は、道路交通法を遵守し、周囲の交通状況に配慮しましょう。

【参照サイト】

https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/electric_mobility/electric_kickboard.html https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/img/tokuteikogata/tokuteikogata.pdf https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/council/newmobility0703.pdf https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/img/tokuteikogata/guideline.pdf https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr7_000058.html https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/r06kou_haku/zenbun/genkyo/topics/topic_1.html

監修:池田大介弁護士

池田・國松法律事務所 代表パートナー弁護士(東京弁護士会) 各種交渉案件や刑事事件のみならず、TBSドラマ「下町ロケット」弁護士監修をするなど 個人・法人問わず幅広い分野で実績を積み上げる。 「依頼者の方々が円滑に生活・事業活動が行うことができるよう、少しでも心を軽くすることができるよう日々研鑽を重ねております。」
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