Menu

eバイクと自転車の違い:法律上の位置付けと走行ルール

eバイク(電動自転車)は、モーター補助により快適な移動を提供する乗り物です。本記事では、自転車との法的な違い走行ルール安全運転のポイント を詳しく解説し、それぞれの活用シーンを紹介します。

eバイクと自転車の違い:法的な位置付けとは?

eバイク(電動自転車)は、ペダルをこぐ力を補助するモーターを搭載した自転車であり、日本の法律では「普通自転車」に分類されます(道路交通法(以下略)第63条の3)。これに対して、エンジンやモーターによる動力のみで走行する原動機付自転車や特例特定小型原付とは異なり、ペダルをこぐことでのみモーターの補助が働く仕組みとなっています。

eバイクはモーターの補助が最大時速24kmまでと制限されており、それ以上の速度ではモーターが停止し、人力のみで走行することになります。この点が、原動機付自転車と大きく異なるポイントです。また、免許やナンバープレートの取得が不要で、自転車と同様に手軽に利用できるのも特徴です。

一方で、普通自転車として扱われるため、走行ルールや利用可能な道路には制限があります。これには、車道や自転車道の利用規定、歩道走行の条件などが含まれます。これらの法的な位置付けを理解し、安全に利用することが求められます。

eバイクと自転車の走行ルールの相違点

車道走行と自転車道の利用

eバイクは普通自転車として扱われるため、自転車専用道や車道を走行することが基本です(第17条1項、第63条の3)。特に車道走行時には左側を通行し(第18条1項)、自動車と同じルールに従います。一方、歩道の利用は一定の条件下でのみ許可されています(第63条の4)。例えば、標識で「自転車歩道通行可」と指定されている場合や、運転者が13歳未満または70歳以上の場合などです。なお、歩道通行が可能な場合でも、歩道は歩行者優先です。

信号や交差点での扱い方

eバイクは自転車と同じルールに従い、交差点では直進時に車道の左側を走行します。右折時には、警察官による交通整理が行われている場合などを除いて、原則として二段階右折を行わなければなりません(第6条2項、第34条第3項)。自転車道が整備されている場合は、車道ではなく自転車道を優先して走行することが義務付けられています(第63条の6、第63条の7第1項)。

eバイクならではの走行時の注意点

eバイクはモーターによる補助があるため、通常の自転車よりも加速がスムーズですが、過信は禁物です。モーターの補助が切れる24km/h以上の速度で走行する際には、急なペダリングの負荷がかかるため、特に長距離走行時には注意が必要です。また、バッテリー残量を事前に確認し、走行中の補助が切れることを防ぐことも大切です。

知っておきたい安全ルールと違反時の罰則

罰則の適用

eバイクは普通自転車と同様に、信号無視や一方通行の逆走などの交通違反が適用されます。これらの違反に対しては反則金の適用はありませんが(2026年5月23日までに自転車に対する反則金制度が新設されます。)、悪質な場合には刑事罰の対象となることがあります(第119条等)。

安全装備と推奨事項

eバイクには、前照灯や尾灯、反射材などの装備が義務付けられています(道路交通法第52条)。さらに、ヘルメットの着用は法的には義務化されていませんが、安全のために推奨されています(第63条の11)。

事故防止のためのマナー

eバイクは通常の自転車よりも速度が出やすいため、特に歩行者との接触事故を防ぐための配慮が重要です。歩道走行時には徐行し、歩行者の安全を優先することが求められます(第63条の4)。

eバイクと自転車の使い分けポイント

通勤や通学に適したタイプ

eバイクはモーター補助により坂道や長距離移動が快適で、通勤や通学に最適です。一方、通常の自転車はシンプルな構造で維持費が安く、平坦なエリアでの利用に向いています。

長距離走行やレジャー利用

長距離走行ではeバイクが優れた選択肢です。モーター補助によって疲労を軽減し、観光地巡りやサイクリングイベントでの活用が可能です。通常の自転車は整備が簡単で、山間部でのアウトドア活動にも適しています。

特徴を活かした利用シーン

eバイクは都市部での効率的な移動や買い物に便利です。一方、通常の自転車はスポーツや趣味のサイクリングに適しており、それぞれの目的に応じて使い分けることで快適さと効率性が向上します。

まとめ

eバイク(電動自転車)は、モーター補助が特徴で、通勤・通学や長距離走行に適した便利な移動手段です。一方、通常の自転車はメンテナンスが簡単で、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。それぞれの法的な位置付けや走行ルールを理解し、適切な場面で使い分けることで、安全で快適な移動が可能となります。道路交通法を守り、周囲に配慮した利用を心がけましょう。

参照サイト

https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/cycle_kaisei.html https://www.gov-online.go.jp/article/202410/entry-6604.html https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/electric_mobility/illegal_bicycle.html https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/electric_mobility/electric_kickboard.html https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/electric_mobility/pedal.html https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/menu/five_rule/five_rule01.html https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/council/newmobility0803.pdf https://www8.cao.go.jp/koutu//taisaku/r05kou_haku/zenbun/genkyo/feature/feature_2_1.html

監修:池田大介弁護士

池田・國松法律事務所 代表パートナー弁護士(東京弁護士会) 各種交渉案件や刑事事件のみならず、TBSドラマ「下町ロケット」弁護士監修をするなど 個人・法人問わず幅広い分野で実績を積み上げる。 「依頼者の方々が円滑に生活・事業活動が行うことができるよう、少しでも心を軽くすることができるよう日々研鑽を重ねております。」
https://www.ik-law.net/